スミレ属の実生苗

盆栽などの鉢植えに侵入する雑草で一番厄介なのは、カタバミやスミレ属だと思います。特に後者は、根が長く除草が大変だからです。

スミレ属は、今迄あまり興味を持たなかった植物ですが、植物園に植栽を検討しているため、実生栽培に挑戦し始めました。

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これは、薄暗い所に生えるコミヤマスミレの実生苗です。昨年、親株の種を採り蒔きしました。凄いでしょ?

でも、このままでは多くが消滅してしまう事を、他種の実生栽培で学びました。本葉が伸び始めた頃、移植をする予定です。

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こちらは、ある考え(確認したい事)があってタチツボスミレを植えた発泡スチロールの箱です。

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その中に、地域産のキスミレの種子を少しだけ蒔きました。完熟種子を採取したため、冬を越して今春発芽しました。以前の記事にも書きましたが、これがその苗なのかは現時点で分かりません。
「スミレ属は、発芽率も高く簡単に増やせる」という認識を持っていました。栽培難易度も5段階で1とあります。ところが、種によっては極狭い範囲に生育し、数年経っても殆ど広がって行かないものもあります。エライオソームを持ち、アリによって種子が運ばれるそうですが、アリは何処まで運ぶのでしょう?巣穴の中深くまで運ばれたら、発芽・成長できません。また、どのくらいの種子がアリに運んでもらえるのでしょうか?疑問ばかりです。

植物園の一角(直径1m未満)に、オトメスミレではなくシロバナタチツボスミレの生えている場所があります。でも、周辺を探しても他で見る事はありません。母種のタチツボスミレは何処でも出会えるので、スミレ属の栽培は楽だと思っていましたが、気難しい種もあるようです。
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不審なメール

今朝パソコン補開くと、不審なメールが入っていました。送信元が使用するメールは、GmailやYahooの場合もあるようです。

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【不審に思った事】

①三井住友信託銀行に口座を持っていない。②メールの送信時間が通常の営業時間ではない3時51分になっている。③個人宛の重要なお知らせのはずなのに「お客様へ」となっている。④しつこく送り付けられる迷惑メールを示す〔SPAM〕表示が付いている。⑤削除しようとすると開封確認メールを要求してくる。

「【三井住友信託銀行】振込入金失敗のお知らせ」でWeb検索すると、驚くほどヒットしました。

私はこういう事には詳しい方ではありません。ただ次のような事を心がけています。

不審なメールの添付ファイルは開かず、ウエブサイトのアドレスが掲載されていてもアクセスしないで削除する。

ブログ友の皆様、不審なメールにはくれぐれもご用心ください。

ついでに、あまり正確ではないようですが、メールの冒頭に表示されている数字(144.71.142.218)がIPアドレスかもしれないと思い検索してみました。下の画像をクリックすると、倍くらいの大きさで表示されます。

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アメリカ合衆国がヒットしました。

再生畑②の野菜(3月下旬)

今日は、植物園で植栽用の丸太枠組を行うつもりでしたが、急遽雑草が伸び始めて来た休耕中の畑に耕運機を掛ける事にしました。それが終って、再生畑②へ行ったので、少しだけ野菜の様子を撮ってみました。

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九条ネギとニラです。九条ネギは、所々にネギ坊主が姿を見せていました。

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昨年秋から3番目に撒いたダイコンは、 思っていたより成長して疎抜くのが遅くなってしまいました。ちょっと間を開けてしまったせいです。エンドウマメも順調に成長しています。

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イチゴは、次々と花を咲かせています。手伝ってくれない家族を釣る餌の役目も兼ねて、いろいろな種類を植えました。目覚めの遅いのは、ポポーです。果実が生るのは、何年後だろう?
耕運機を掛けた畑を後にしたのは、11時過ぎでした。軽食を持っていたので、再生畑②も未耕作エリアの耕運機掛けをしようと思って行ったのですが、暑さと疲れで止めにしました。ざっと見廻り、目立つ雑草をとって帰宅しました。日々体力の低下を実感しています。

栽培棚の植物

ここ数日暖かな日が続き、栽培棚の植物達も動き始めました。

【クリンソウ】

少し前に掲載したばかりですが・・。

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子葉(双葉)を見ても、播種した者にしかクリンソウとは分からないと思います。下の写真中央に本葉が出ています。葉縁の鋸歯がクリンソウと確信させてくれます。

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こちらもクリンソウです。実は上の小さな苗とこちらは同じ日に撒きました。果実が熟して重力散布を始める頃に撒くと、少しだけ発芽して冬を越します。大半の種子は、翌春発芽します。それが上段の小さな苗です。

【サクラソウ】

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サクラソウも次々と伸びて来ました。植物園草本保全区の一角に、この同期生を植栽してあります。この植物の地植えは難しいところがあって、数年後に植えた場所から移動して行く事があるようです。それを見て、環境が合っているか判断する事になります。

【タコノアシ】

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プランターに植えたタコノアシも芽が出て来ました。こちらは地下茎での栄養繁殖が盛んで、植替え時に驚かされます。

【ヒメハッカ】

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実生栽培するまで、この植物の凄さを知りませんでした。60cm長のプランターに、小さな実生苗を1~2株植えて置くと、地下茎で栄養繁殖し2年目で容器いっぱいになり、彼方此方から芽が伸びて来ます。それは、過酷な環境の富士山こどもの国へ植えた個体も同様でした。

【カンアオイ属】

NHK出版「みんなの趣味の園芸」によると、栽培難易度は5段階で3とあります。私のように初心者でなければ、比較的栽培が容易な植物と言えるようです。

株分け時に根伏せしたものや、葉が枯れ地上部に新芽の見えない鉢をひっくり返してみました。

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新芽が隠れていました。

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こちらにも・・。

カンアオイ・・寒葵は、一部の種を除き、冬に落葉しない事になっていますが、秋~冬に古い葉が枯れたり寒風を受けて全ての葉を落とす事もあります。ただ、早春に新葉が伸びて来ますので、それを待ちます。

また、条件によっては新たに伸び始めた地上部の芽が枯れてしまう事もあります。そんな場合でも地下部は無事で、数か月後にまた伸びて来る事があります。ただ、軟腐病や白絹病などを発症している場合もありますから、たまに確認する必要があります。そのまま放置すると、他も感染してしまうので・・。

植物保護検討エリア

14日に、植物保護をお願いしたい場所を回って来ました。プランを作成して、相談する事になります。

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この場所には、ササユリなどが生育しています。昨年秋に種子採取と共に、仮払い機で草や低木を刈って来ました。ススキなどがある程度伸びたら、花が見られるように鎌で浅刈りする予定です。

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ヌマトラノオが生育している場所です。以前は、花が咲く前に刈り取られていたので、花が咲き果実が熟すまで待ってもらいました。種子が散布され、地下茎による栄養繁殖だけでなく、多様な性質の実生苗が育つ可能性があります。

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右下の作業道と合流する辺りには、セリバオウレンの群落がありました。気付いた時は、作業道整備用の樹木伐採が行われていました。土嚢袋2袋分だけ採取して、一袋分を近くのスペースに緊急避難して、もう一袋は別の場所に移植しました。根が多く、小さなスコップで掘るのは大変でした。

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近くの場所のセリバオウレンです。無事花を咲かせ果実期を迎えていました。

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少し離れた場所にも生育していました。日当りが良いと、このように褐色を帯びて来ます。

このエリアで植物保護をお願いしたいところは、もう一ヶ所あります。間伐業者さんから教えてもらった場所で、セリバオウレンとキバナノアキギリなどが生育しています。またその近くにはヤクシマヒメアリドオシランやアケボノシュスランも生育しています。

各々保護柵などのプランを検討し始めていますが、獣害対策だけでなく人に見てもらう事を考慮するかも検討材料となりますので、いろいろ難しい問題があります。識者の方の意見も伺って、幾通りかのプランを作成するつもりです。

種蒔き権兵衛の挑戦

植物園保全区並びに富士山こどもの国「花の谷」への植栽用と、地域に生育する希少植物の積極的保護目的で、いろいろな山野草の実生栽培に挑戦しています。

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実生二年目のサクラソウです。一昨年の果実期に播種して、数株は昨年花を咲かせました。

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昨年撒いたクリンソウは、同年少しだけ発芽しました。その苗は、移植後ここまで育ちました。

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こちらは、今春実生床に出現した双葉です。昨年撒いたクリンソウと思われます。このままでは、多くが駆逐されて行きます。

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一昨年撒いたイワシャジンです。昨年、二株だけ花をつけました。イワシャジンの実生は難しいと聞きましたが、沢山発芽してくれました。昨年半分ほど植物園の石積みに植えて来ました。

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ダイモンジソウは、とても発芽率が高く沢山の苗が得られます。敢えて撒かなくても、零れ種で親株の鉢に沢山の苗が出て来ます。

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播種した翌年末に地上部に姿を現したササユリです。一部を実生床からプランターへ移植しました。

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昨年撒いたカンアオイ属です。今回が二回目の挑戦です。

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これがそうかは現時点で分かりませんが・・。タチツボスミレを植えた実生床に、昨年キスミレの種を蒔きました。採取時期が遅く、残っていた種子はホンの少しだけでした。種子が熟すと、キスミレは思っていたより早く姿を消してしまうようです。他の種は、ミニ盆栽の鉢など彼方此方に生えて来て、根が深く除草に困るくらいです。キスミレの発芽率はどうだろう?

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バアソブも発芽しました。上手く育てれば、播種の翌年開花するものもあります。

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こちらは、サワギキョウです。今回が初めての挑戦になります。

沢山発芽したからと言って安心はできません。その後の管理をしっかりやらないと、あっという間に姿を消してしまう事があります。実生床から栽培床に移植して成長の促進を図ります。植物栽培に完璧な教科書は無く、いろいろ試して場数を踏むしかありません。
植物園植栽種と富士山こどもの国「花の谷」で育てている種は、地域由来の遺伝子を持ったものに限定しています。それは、植物園のW先生と花の谷造成にご尽力されたN先生(故人)のお考えを引き継ぐものだからです。

花の谷のサワトラノオ

富士山こどもの国「花の谷」へ最初にサワトラノオを移植したのは、私が関わるずっと前の事だったそうです。この地での定着は難しく、初めて行った時にサワトラノオの姿はありませんでした。

生態を知るために実生栽培実験で得た株を自生地に戻すのは、遺伝子汚染の可能性があるとの事で、その後花の谷へ移植しました。3回目の冬を越し生き残った個体もありますが、その数は少なくこのままでは定着は難しいと思っていました。

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上の写真の網を張り巡らした場所が、花の谷の湿地エリアになります。

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こちらは、昨年の初夏にサワトラノオの展示用に置いたプランターです。ある工夫をして、二つのプランターの開花時期をずらしました。

果実が熟したら回収しようと思ったのですが、ある思いがあり枯れた花茎を刈取りそのまま残して冬を越させる事にしました。その結果、どちらのプランターのサワトラノオも無事でした。

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二つのプランターの葉色を見てください。緑色の方は葉が常時水に浸かっていて、茶色の方は水上へ露出する事が多かったものと思われます。高度がほぼ0mの自生地でも、冬には葉が変色します。水中栽培の方が少し成長は早くなりますが、変色した葉の個体も問題なく花を咲かせます。

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この場所には、3回目の冬を越したサワトラノオがあります。昨年も花を咲かせましたが、草丈はとても小さく栄養繁殖による増殖もあまり期待出来ないと思われます。

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こちらは、水に浸かっていない場所のサワトラノオです。葉が少ないのは、寒さで枯れたためです。中にはシモバシラで浮き上がり地下部が露出してしまったものもあります。根が違う(細い根が無い)と思われた人もいるかと思います。水中栽培すると、このような太い根(根茎?)ばかりになります。

この場所で、無事に冬を越させる方法は、昨年の春に置いた2個のプランターが教えてくれました。ただ、この先どうするかはみんなと話し合って行かなければなりません。
プロフィール

富士の種蒔き権兵衛

Author:富士の種蒔き権兵衛
植物を知るには、種を蒔いて育ててみるのが一番です。野菜から山野草まで、いろいろ挑戦しています。

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権兵衛の種蒔き日記
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