ビオトープ(9月上旬)

9月6日に、植物園のビオトープの様子を見て来ました。取水口と排水口が近く、場所によって水温の差が激しいので、細い配管で奥側に水を送ってもらいました。

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手前側と奥側の様子です。奥側は水温が高くミゾソバなどが繁殖し難い代わりに、アオミドロが繁茂しています。熊手で除去するため桟橋を作ってもらいました。灰色の塩ビ管が奥側へ水を送る配管です。露出配管なので、給水口の位置を後で調整出来ます。

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前回かなり深刈りしたのに、こんなにミゾソバが成長していました。次回は、ある程度引き抜こうと思っています。アシを刈ると、ミゾソバが繁茂するし・・混生する植物の管理は、バランスのとり方が難しいです。

植付時に切り取った根から発芽して来たミツガシワの苗も、順調に育っています。来春は、水温が下がった奥側にも移植予定です。

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実生二年目のタコノアシです。早いものでは、秋に蒔いて翌年には花を見る事が出来ます。こういう場所が好みだろうと思って、植付けたところが正解だったようです。

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こちらは、実生二年目のミズオトギリです。良く見ると、蕾がついていました。成長が遅く、一年目では花を見る事が出来ませんでした。タコノアシ同様に、種子繁殖だけでなく地下茎で栄養繁殖もします。

こういう場所に生育する植物は、実生床に播種した場合、発芽率は高いですが、自生地で実生苗が育ちにくく、殆どが栄養繁殖株(クローン)である可能性が高いと思っています。多様な性質の個体を確保するために、種子が採れたら実生苗も育てて行くつもりです。
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「花の谷」に咲く花(8月下旬)

29日は、富士山こどもの国「花の谷」の草刈りに行って来ました。もっと早く予定していたのですが、雨が続いたりして遅くなってしまいました。暑くてヘトヘトになりました。

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ミソハギとアサマフウロが見頃でした。ミソハギは、浮島ヶ原から移植したものだそうです。湿地の網の中には、エゾミソハギも少しあります。

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アサマフウロは、富士宮市(朝霧高原)から移植されたものと、それを実生繁殖させたものです。

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ハバヤマボクチ(?)も、元気に育っていました。こちらも、富士宮市(朝霧)からの移植組でしょうか?

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ヒキオコシは、とても小さ花を咲かせ始めていました。延命草の別名を持ち、苦味健胃薬として利用されるそうです。苦味の成分は違えど、センブリと似た効能があるようです。

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色々な果実も見られます。ヒオウギ、トモエソウ、そしてベニバナヤマシャクヤクです。先輩が、これら希少種の種子を採取し、実生苗を育てて種の保存を図っています。ベニバナヤマシャクヤクの種子は、秋に播種して翌々年の春に発芽します。花を咲かせるまで育てるのは簡単ではありません。
掲載した種以外では、マツムシソウ、タムラソウ、オミナエシ、サワヒヨドリなどが咲いていました。まだまだ暑い日は続きますが、風になびくススキの穂を見ながら秋を感じに行きませんか?

山野で出会った植物は、「静岡県の植物探索」に掲載しています。

サワトラノオの根

富士山こどもの国「花の谷」へ、サワトラノオを定着させる事を目標にしています。植え方、植える場所、水位を含めた季節ごとの管理を、先輩が残された過去データーと共に試行錯誤して行くつもりでいます。

今秋に、追加植栽する実生苗を、プランターからビニルポットに植え替えました。

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開花結実した株は、地上部が枯れ株元から新たな芽が出現します。これは、その新芽(冬芽)が出てきた個体です。

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こちらは、採取から一年経過した種子を播種して得た苗です。根の途中や先端部にこぶのようなものがあります、これは何でしょう?

一見、マメ科の植物に共生する根粒菌の棲み処である根粒のようにも見え、腐生ランの根状器官が菌糸と接触した時に出来る疣状器官にも見えます。

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左の写真に見える葉裏の斑点も気になっています。実生苗の葉裏に現れ、やがて消えて行きます。初回の実生栽培実験でも確認する事が出来ました。

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この塊茎のような器官が病気によるものなのか、或いは何らかのシグナルを受けて生き抜くために出来た器官なのか、私にはわかりません。同じプランター内に、このような個体が複数本ありました。

約2年間に渡るサワトラノオの実生栽培実験で、この植物がRDBのランクから想像するほど弱い植物ではなく、環境が合えば発芽率も高く、僅か二株の果穂から採取した種子で、300株以上の苗を得る事が出来、その殆どが翌年開花に至る事を知りました。

そして、水中栽培した場合、当年茎が倒れ水に浸かると、各葉腋から新芽が出現して発根し、株元からだけでなく、葉腋からも栄養繁殖する事が分かりました。

サワトラノオの茎は活性状態では比較的腰が弱く、大きく育った場合、豪雨や強風で曲がってしまいます。ところが、枯れた茎は繊維が強く簡単に消滅しません。水に浸かって出現した葉腋からの新芽が、ある程度成長するまで繋ぎ止めているように見えました。

逆に、湿地以外でどうなるかも試してみました。黒ボク土を主とする土壌に植えて水遣りもせずに置くと、5~10cmの草丈で花を咲かせました。やがては、消滅してしまうと思われます。

植物は、実生栽培などを通じてその生態に深く向き合うと、図鑑にも記されていない新たな発見がいろいろあって、とても面白いです。

植物園のミツガシワ(8月下旬)

昨日、雨の合間を縫って、植物園のビオトープと保全区の草刈りなどに行って来ました。

当初思っていたより、ミゾソバなどの成長が早く、今春植栽したミツガシワがそれらに覆われてしまいました。8月7日に、思い切って少し深刈りして来ました。

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ミゾソバなどと一緒に、刈り取ってしまったミツガシワの葉もあったので、少し心配でしたが新しい葉が伸びていました。

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こちらにも、沢山の葉が出ていました。無事でよかった!

この日の晩、偶然にも富士山こどもの国「花の谷」で行われて来たミツガシワの管理記録を送っていただきました。それ以外にも、植栽保護している植物の記録がいろいろ残されていて、今迄のご苦労の一端を伺い知る事が出来ます。

週末、天気が良ければ、富士山こどもの国の池の草刈りを手伝いに行く予定です。ここで学んだ事が、植物園の管理にも役立っています。良いタイミングで、両施設と関わる事が出来ました。

「花の谷」に咲く花②

富士山こどもの国「花の谷」に咲く花の続きです。

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花火のようなシシウドの花が、咲き始めていました。訪花昆虫が多く、蝶や蜂類以外にコガネムシやカメムシの仲間もやって来てとても賑やかです。

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ツリフネソウとカワラナデシコです。カワラナデシコは、女性ファンの多い花のようです。近くにある裾野市の演習場周辺でも、沢山見る事が出来ます。

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とっくに花期は終わったはずのクリンソウが咲いていました。通常とは一回り小さな花です。

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マツムシソウも咲き出していました。中心部は筒状花、周囲は舌状花です。右を見ると、不均等に伸びる舌状花の裂片が良く分かります。

マツムシソウは、近くの林道沿いでも普通に見られましたが、植林したスギやヒノキが大きくなり殆ど姿を消してしまいました。こどもの国でも、シカの食害で年々数を減らしているそうです。
この他にも、クサレダマ、カセンソウ、コウリンカ、オミナエシ、ヒヨドリバナ、サワヒヨドリなどが見られます。フウロソウ科のタチフウロが少し咲き始めていました。もう少しすると、朝霧高原から移植したアサマフウロとその実生株が花を咲かせます。

富士山こどもの国の名称から、花の谷の事を知らない大人も多いと思います。富士市や富士宮市で生育の確認された珍しい植物を、いろいろ見る事が出来ます。65歳以上の方は無料です。富士山を眺めながら、自然を満喫してみませんか?
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富士の種蒔き権兵衛

Author:富士の種蒔き権兵衛
植物を知るには、種を蒔いて育ててみるのが一番です。野菜から山野草まで、いろいろ挑戦しています。

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