トリガタハンショウヅルとコキンバイザサ

鍋焼きうどんのアルミ容器の実生床に発芽した苗の正体がわかりました。この実生床には、ハルリンドウとトリガタハンショウヅルの種を撒きました。

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発芽したのは、トリガタハンショウヅルでした。

私の探索範囲で、トリガタハンショウヅルに出会えるのは亜高山帯低域で、開花株に出会えるのは稀です。ところが林床をよく見て歩くと、蔓の伸びていない小さな個体がたくさん生えていることに気づきます。近くに絡みつく樹木などがないと、小さなままで開花に至らないような印象を持っています。

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こちらは、四角い盆栽用の素焼き鉢を使った実生床です。まるでダイモンジソウとツクシスミレの実生床のようですね。

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ダイモンジソウの大きな葉を除けると、昨年発芽したコキンバイザサが姿を現しました。コキンバイザサは、針葉樹林の作業道など、少し日当たりのいい場所を好むようです。このままでは成長に支障をきたします。除草しなければ・・。

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ツクシスミレは恐ろしい植物です。こちらは、発泡スチロールの空き箱を利用した実生床です。あっという間にこんな状態になってしまい、何を撒いた実生床かわからなくなってしまいました。
種が少ししか入手できない植物は、鍋焼きうどんのアルミ容器を実生床に使っています。特に考えがあってというわけではありません。山野の植物の種子繁殖に挑戦し始めたのは、数年前のことです。確か最初に撒いたのは、友人が送ってくれたバアソブでした。その後、ヤシャビシャクなども同じ容器を使い成功しています。しかも、底に水抜きの穴を開けておりません。庇下で管理していたため雨水がかからず、表土が乾いたら水やりしています。私にはこの容器が向いていたようで、その後も使い続けています。
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アマギアマチャ

挿し木で増殖したアマギアマチャを移植して来ました。

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20cmくらいの枝を2本挿し木したものが、左のような大株になりました。よく見ると、蕾が姿を現していました。

アマギアマチャは、ヤマアジサイの変種です。カンアオイ属の調査に行った伊豆天城で、ヤマアジサイらしき葉の植物を見つけました。

葉を齧って甘ければ、アマギアマチャということになります。味音痴の嫁さんも「甘い!」と感激していました。ただ、全ての葉が同じくらいの甘さではないという印象を持ちました。また、地域のヤマアジサイと比べて、アマギアマチャは葉が少し細く感じます。

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上の枝を挿し木したものを間隔をあけて移植しました。移植後は、水やりしたのち乾燥防止のためにカヤを敷きました。

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左がアマギアマチャで、右は斑入り葉の個体でアマギコガネというそうです。先生からいただいたもので、葉が甘いかは確認しておりません。

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奇麗でしょ?緑色が殆どないのに無事育っていますので、黄金色の葉にも葉緑素があるということになります。

アジサイ科アジサイ属アマギアマチャ(Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. angustata (Franch. et Sav.) H.Ohba)。


もう少し成長したら植物園に移植する予定です。マメに管理する体制になっていないため、あまり小さいとせっかくの増殖株が枯れてしまうからです。自分で増やしたものは、種子繁殖、栄養繁殖にかかわらず情が移るものです。

汗だくになって移植が終わったところで、植物園の土木担当から連絡がありました。ずっと気になっていたある作業のことです。元職時代の自分とは立場が違うため、歯がゆいことも色々あります。特に工事の現場管理は、攻めの姿勢で仕事をこなしていかないと、自分が苦しむことになります。思いおこせば、ストレスを感じることの多い仕事でした。

実生苗いろいろ

微力ながらササユリの保護にかかわって、種子繁殖に挑戦しています。初めてのことなので、幾つかの資料を参考にしていますが、経験に勝る教科書はないと思っています。

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2022年秋に地上部に姿を現した苗を、2023年春にプランターへ移植したものです。この状態では、ヤマユリなのかササユリなのか区別がつきません。

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昨日実生床を見ると、こんな状態の芽が伸びていました。ササユリに間違いないようです。少し前の記事でも触れましたが、実生床に使った発泡スチロールの箱は、ササユリの発芽の時短だけでなく、その後の成長においても時短効果があるのではないかと思っています。

ついでに、その他の実生苗も少し掲載します。

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この双葉の実生苗は現時点で種名がわかりません。このアルミ容器には、二種類の種子を撒きました。ハルリンドウとトリガタハンショウヅルで、どちらも双子葉植物です。

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浮島地区の田園地帯に生えるナヨナヨワスレナグサです。この植物は、多年草ではなく越年草(冬型一年草或いは二年草)だと思っています。

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これは?ヌマトラノオの実生苗かな?そう思って大切にしていると除去対象の雑草だったりすることもあります。

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バアソブの実生苗です。ジイソブとの違いはこの沢山の毛です。成長とともに区別がしにくくなります。

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実生床からプランターへ移植したクリンソウとサクラソウの苗です。ピンセットを使って、長辺40cmのプランターに移植するのに1時間半ほどかかります。やってみないと信じられないかも?

今回はこのくらいで・・。
今日は、いろいろ用事があって遅くなってしまった耕運機掛けに行きました。途中で小雨が降ってきたため洗濯物をしまいに戻り、また続きをやってきましたがだんだん無理がきかなくなってきました。家族に耕運機の使い方や除草作業の体験教室をやるというと、何かと理由をつけて逃げてしまいます。そういうところだけ、よく頭が働くので困りものです。

実生苗など

植物園植栽用に播種した植物達の発芽が始まっています。実生苗を無駄なく育てるには、これからの世話が重要になって来ます。実生床の様子などを少しだけ撮ってみました。

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これは、双子葉植物です。ただ銘板に書かれた植物かはまだ分かりません。実は、土を使いまわししているので、他の種が発芽することもあり、風やアリによって紛れ込む種もあります。

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単子葉植物・・ホトトギス属の苗です。種子繁殖で育てたホトトギス属の二代目の苗になります。

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こちらも単子葉植物・・ササユリの苗です。ササユリは播種して地上部に姿を現すのに約1年半かかるとあります。でも、一回目は秋に撒いて翌年秋に姿を現しました。写真は二回目ですが昨年の2月に撒いて今年3月の様子です。いずれも約一年で姿を現したことになります。

実生床は発泡スチロールの箱で、土が乾燥しないように気を配りました。なぜ早く姿を現したのか疑問でした。Webで調べてみると、ユリ.netというページに興味深いことが書かれていました。その中で「ヤマユリ種からの育て方に「◎発芽までの時短法」という項目があります。発泡スチロールの箱や置き場などがこれに近い効果をもたらしたのかも知れません。

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クリンソウとサクラソウの苗です。同じサクラソウ科で似ていますが、こうして並べてみると違いがよくわかります。開花時期の遅いクリンソウの方が、サクラソウよりも早く地上部に姿を現すことも知りました。

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鍋焼きうどんのアルミ容器で発芽させたサワギキョウです。この兄弟たちは、昨年植物園に植え付けました。種子繁殖や挿木などで増殖した植物は、保険のために生家にも残してあります。

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友人から連絡をもらい、小雨降る中枝を採りに行って挿木した植物です。この仲間は花色に変異があって面白いです。

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裏庭で苔を植えたところに、この植物が生えてきました。丸い小さな葉が可愛いので抜かずにおくと、30cmくらいまで育ちました。そして昨年秋にこの植物が何なのか分かりました。丸みを帯びた葉からもしやとは思っていましたが、葉色(※)が違う上に家の周りには親木がありません。でも、綿菓子のような甘い香り・・カツラだ!

※「幼木や若い枝では、赤く紅葉することもある。」そうです。

この植物も挿木してみましたが、発根促進剤を塗布しても2本だけしか発根してくれませんでした。それもあっという間に枯れてしまいました。カツラノキは雌雄異株なので、雌木の樹下で苗を探しましたが見つけることはできませんでした。たぶん採取してきた苔の中に種が紛れ込んでいたのではないかと思われます。
新年度などあまり関係ない生活を送っていますが、委嘱元の役所などからの連絡が幾つかありました。こちらからの報告も済み、ちょっぴりだけ元職時代を回顧することが出来ました。
今日はこれから、打合せがあります。物言わぬ植物達と過ごす引きこもりのような生活を楽しんでいると、だんだん人と会うことが億劫になって来ます(笑)。

樹皮培地の植物(カンアオイ属)

樹皮培地に植えた植物を初めて見たのは、愛媛県の山野草店から通販で購入したカンアオイ属でした。植替えのために化粧砂を除けると、鉢内はヒノキの樹皮でした。根張りの良さに驚かされました。

植物園の作業に行くと、皮を剥いだだけの荒い樹皮が植物園のストックヤードに積まれていました。部材が大きすぎてとても培地には使えそうもありませんでした。その後、機械で細断したものを見ると、培地にちょうど良かったので実験してみることにしました。

実験開始は、最初に見たカンアオイ属から・・。

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葉が枯れて生長点だけ残っているものや、地下茎を根伏せしたものを植えてみたところ、新芽が伸び葉が展開して来ました。

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これはアマギカンアオイかな?

樹皮培地は今のところ成績は良いように思います。ただ、赤玉土や鹿沼土に比べて湿度維持が難しく、水遣りの頻度を上げる必要があります。その解決策が当面の課題です。

ついでに、私にとっては珍しい花を撮ってみました。

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先生の群馬県のご友人からの寄贈品です。地域産にはない驚くほど大きな花です。銘板は別の名前でしたが、花を見ると中国原産の青城カンアオイに似ています。葉も大きくて20cm以上あるものも見受けられます。

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こちらは、新潟妙高市のブログ友が送ってくれたコシノカンアオイです。蕾をつけて冬を越し、今頃開花します。花の大きさだけでなく黒っぽい大きな蕾にも驚かされました。全国の種を見ている科博の研究者の方も、同様な感想を語られていました。

「地域のカンアオイ属だけでも覚えよう!」と思い立ってからまだ3~4年の新米ですが、研究者の方のフィールドワークに同行させていただいたこともあります。種子発芽や根伏せによる増殖などを経験しているうちに、この植物の面白い生態や気難しさも少しだけわかってきました。ますます沼にはまりつつあります。
プロフィール

富士の種蒔き権兵衛

Author:富士の種蒔き権兵衛
植物を知るには、種を蒔いて育ててみるのが一番です。野菜から山野草まで、いろいろ挑戦しています。

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