ムベの長く伸びた蔓を剪定していると、面白い姿の芋虫が集っていました。
黒っぽいので、背景が暗いと見ずらいですね。

この目玉のような模様は、個体毎に微妙に違っています。食欲旺盛なようで、直ぐに大きくなります。
頭と尻尾です。この芋虫はアケビコノハの幼虫で、ムベやアケビ、アオツヅラフジ、ヒイラギナンテン、カキなどを食べるそうです。ヤガ科Eudocima属アケビコノハ(Eudocima tyrannus)。
富士山こどもの国「花の谷」へ、サワトラノオを定着させる事を目標にしています。植え方、植える場所、水位を含めた季節ごとの管理を、先輩が残された過去データーと共に試行錯誤して行くつもりでいます。今秋に、追加植栽する実生苗を、プランターからビニルポットに植え替えました。
開花結実した株は、地上部が枯れ株元から新たな芽が出現します。これは、その新芽(冬芽)が出てきた個体です。
こちらは、採取から一年経過した種子を播種して得た苗です。根の途中や先端部にこぶのようなものがあります、これは何でしょう?一見、マメ科の植物に共生する根粒菌の棲み処である根粒のようにも見え、腐生ランの根状器官が菌糸と接触した時に出来る疣状器官にも見えます。
左の写真に見える葉裏の斑点も気になっています。実生苗の葉裏に現れ、やがて消えて行きます。初回の実生栽培実験でも確認する事が出来ました。
この塊茎のような器官が病気によるものなのか、或いは何らかのシグナルを受けて生き抜くために出来た器官なのか、私にはわかりません。同じプランター内に、このような個体が複数本ありました。
約2年間に渡るサワトラノオの実生栽培実験で、この植物がRDBのランクから想像するほど弱い植物ではなく、環境が合えば発芽率も高く、僅か二株の果穂から採取した種子で、300株以上の苗を得る事が出来、その殆どが翌年開花に至る事を知りました。そして、水中栽培した場合、当年茎が倒れ水に浸かると、各葉腋から新芽が出現して発根し、株元からだけでなく、葉腋からも栄養繁殖する事が分かりました。サワトラノオの茎は活性状態では比較的腰が弱く、大きく育った場合、豪雨や強風で曲がってしまいます。ところが、枯れた茎は繊維が強く簡単に消滅しません。水に浸かって出現した葉腋からの新芽が、ある程度成長するまで繋ぎ止めているように見えました。逆に、湿地以外でどうなるかも試してみました。黒ボク土を主とする土壌に植えて水遣りもせずに置くと、5~10cmの草丈で花を咲かせました。やがては、消滅してしまうと思われます。植物は、実生栽培などを通じてその生態に深く向き合うと、図鑑にも記されていない新たな発見がいろいろあって、とても面白いです。
昨日、雨の合間を縫って、植物園のビオトープと保全区の草刈りなどに行って来ました。当初思っていたより、ミゾソバなどの成長が早く、今春植栽したミツガシワがそれらに覆われてしまいました。8月7日に、思い切って少し深刈りして来ました。
ミゾソバなどと一緒に、刈り取ってしまったミツガシワの葉もあったので、少し心配でしたが新しい葉が伸びていました。
こちらにも、沢山の葉が出ていました。無事でよかった!
この日の晩、偶然にも富士山こどもの国「花の谷」で行われて来たミツガシワの管理記録を送っていただきました。それ以外にも、植栽保護している植物の記録がいろいろ残されていて、今迄のご苦労の一端を伺い知る事が出来ます。週末、天気が良ければ、富士山こどもの国の池の草刈りを手伝いに行く予定です。ここで学んだ事が、植物園の管理にも役立っています。良いタイミングで、両施設と関わる事が出来ました。
雨続きで、まるで梅雨時に戻ったようですね。畑の雑草も伸び放題です。
シカ柵を撤去して追加した電気柵です。右は、イノシシに平らにされたサツマイモの畝跡です。飼いならして、畑の均しに使えば、かなり役に立ちそうです。
刈り取ったササやチャノキを、石垣に沿って積んで置きました。木材腐朽菌によりかなりこなれて来たので、ミミズの棲み処になっています。それを狙ったイノシシに荒らされました。野生動物のパワーは、凄いですね。
左は、順調に育っているカボチャです。でも、雨降りで受粉が出来ない・・。右は、植物園植栽用に実生で育てたタコノアシです。余った株を、農業用水栓の排水路に植えてあります。丈夫な植物で、地下茎で栄養繁殖もします。
雨が続いて、活発に動き回っているカタツムリです。○○マイマイでしょうか?植物園植栽用に、ある希少植物の実生苗を育てています。その葉が、ナメクジやカタツムリに食べられるので困っています。いろいろ試してみましたが、完全に阻止する事は出来ません。マメに見回るしかないようです。
先日の雨続きの時、シカ柵エリアに植えてあったサツマイモとサトイモの一部をイノシシに荒らされました。特にサツマイモは、盛り上げた畝ごと平らにされてしまいました。各所の痕跡を見ると、一頭ではなく群れの仕業ではないかと思います。
一度狙われたらまたやってくると思いますので、シカ柵を撤去して電気柵を設置しました。それに伴い、古くなった電源装置も更新しました。台にしているのは、水漏れするようになった水槽です。この中に、車用のバッテリーを入れてあります。イノシシがやってくるのは、雨が降って土が濡れている時が多いようです。今回の雨でやって来た時、感電させれば学習して来なくなると思います。
順調に生育しているサトイモ類と、試験的に植えた稲です。陸稲用の品種を探すつもりでしたが、稲の栽培経験が無いので、とりあえず生育のサイクルを知る事にしました。実生発芽から行っていますが、移植のタイミングなど分からなかったので、今のところ全て勘です。
富士山こどもの国「花の谷」に咲く花の続きです。
花火のようなシシウドの花が、咲き始めていました。訪花昆虫が多く、蝶や蜂類以外にコガネムシやカメムシの仲間もやって来てとても賑やかです。
ツリフネソウとカワラナデシコです。カワラナデシコは、女性ファンの多い花のようです。近くにある裾野市の演習場周辺でも、沢山見る事が出来ます。
とっくに花期は終わったはずのクリンソウが咲いていました。通常とは一回り小さな花です。
マツムシソウも咲き出していました。中心部は筒状花、周囲は舌状花です。右を見ると、不均等に伸びる舌状花の裂片が良く分かります。マツムシソウは、近くの林道沿いでも普通に見られましたが、植林したスギやヒノキが大きくなり殆ど姿を消してしまいました。こどもの国でも、シカの食害で年々数を減らしているそうです。
この他にも、クサレダマ、カセンソウ、コウリンカ、オミナエシ、ヒヨドリバナ、サワヒヨドリなどが見られます。フウロソウ科のタチフウロが少し咲き始めていました。もう少しすると、朝霧高原から移植したアサマフウロとその実生株が花を咲かせます。富士山こどもの国の名称から、花の谷の事を知らない大人も多いと思います。富士市や富士宮市で生育の確認された珍しい植物を、いろいろ見る事が出来ます。65歳以上の方は無料です。富士山を眺めながら、自然を満喫してみませんか?
4日には、富士山こどもの国の草刈りに行って来ました。猛暑の中、保護植物を傷めないように鎌で刈るので、かなりハードな作業でした。作業開始前に花を撮ってみました。
一月ほど前に、先生から「キキョウは無事か?」と聞かれました。無事に咲いていました!今後は、個体数を増やすために、実生栽培にも挑戦したいと思っています。キキョウは、雄性先熟です。右の花は、オシベが萎れメシベの柱頭が開いています(雌花期)。
ヒメトラノオも各所で見る事が出来ます。訪花昆虫はハナアブの仲間でしょうか?
ノカンゾウも見頃でした。
ユウスゲは、夕方を待って休憩中です。集っているのはヒメギスでしょうか?「おい、蕾を食べないでくれよ!」ユウスゲの実生栽培に挑戦しています。発芽率は高い植物のようで、苗も順調に育っています。